隣の席の姫野くん。
そんなことを考えていた翌日
昂がキラキラした顔で私に近付いてきた。
「次の土曜、俺んちに泊まんねぇ?」
目が無意識のうちに大きくなる。
泊まりって、その、つまり…
一瞬頭のなかにいやらしいイメージが浮かんで顔が赤くなった。
でも幸いなことにテンションが上がりきってる昂は、私の顔の赤さに気づかずに泊まりの説明をしている。
つまりは家族の海外旅行に置いていかれ、その時間を私と二人きりで過ごすと言うことらしい。
私は快諾し、わくわくしていた。
昼間はのんちゃんと山下くんとダブルデートをして、夜は昂と二人きり…
ダブルデートも彼氏と泊まりも夢だった私からすれば、まるで夢のような一日になる。
大袈裟だって思うかもしれないけど、私にとっては本当に嬉しいお誘いだった。
…泊まりの時に素直になろう。
山下くんに襲われかけてる昂を見ながら決心する。
自分から昂に触れなくても、昂が触ってくることを拒否しない。