隣の席の姫野くん。
「しゅ、秀平と橋田はもうついたって」
昂は私よりも一歩前を歩く。
でもその手は繋がれたままで…ってちょっと歩くのが速い。
私が遅刻したから、急いでるんだよね…
「昂…ごめんね?待たせちゃって…」
どんどん罪悪感が出てきて、胸がいたい。
私のせいで昂にも、のんちゃんにも山下くんにも迷惑かけちゃった…
申し訳ない気持ちと自分に対しての怒りが混ざって、涙になっていく。
「こ、このみ!?」
私の顔をやっと見てくれた昂が慌て始めた。
「だ、大丈夫!瞬きしなきゃこっ溢れないから…」
私の目には涙が溜まって少しの衝撃でも溢れそうになっている。
私はそれを溢すまいと目を大きく開けて、唇を噛み締めた。
「…だーっ!もう!」
昂は急にそう言うと私の手を離した。
あ…きっとめんどくさくなったんだろうな
遅刻して泣く女なんか嫌だもんね…
そう思った瞬間、目から涙が溢れた。