隣の席の姫野くん。
「…こ、ここここのみ!?」
「へへへ…」
噛みまくる昂。
明らかに動揺している。
そのせいで真っ赤な顔を隠すのも忘れているらしくて、貴重なその顔が見放題だった。
「昂、顔真っ赤だね」
私はいつもの仕返しとばかりに昂をからかう。
私の言葉に顔を背けた昂が、可愛くてしょうがない。
顔を背けたくらいじゃ赤いのバレバレなのに…
手で顔を覆わないのは、その肝心の手が私の腰にあるから。
真っ赤な顔を見せてでも私とくっついていたいんだ…
そう思うとすごく幸せで、不安なんてなくなっていた。
少し時間がたって冷静になってきた私は急に恥ずかしくなった。
「の、のんちゃんたち待ってるし行こうか」
そう言ってみるものの答えは分かっている
…今度は私がからかわれる番だ…