隣の席の姫野くん。



こんな時間に帰るの怖いな…



親は私に無関心だから、何時に帰ろうがどこで何してようが平気。




でも私は見た目に似合って怖がりで…



って言っても幽霊っていう非科学的なものよりも変態なおっさんが怖い。




昔、このくらいの時間に歩いてたら襲われたことがあった。



その時は運よく残業終わりの男の人が助けてくれたけど…





「…橋田?どうした?」





山下くんの言葉にふと我にかえると、かたかたと震える手が目に入った。




「…あ、平気」




笑顔をつくって顔をあげると、心配そうにする山下くんがいた。




やめてよ…そんな顔期待しちゃう。





ドキドキして顔を見ていられなくて、目をそらす。




「ほんとに大丈夫か?」






そう言って私の頭を撫でた山下くんは罪な男だ
















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