隣の席の姫野くん。
「あっ」
見つけた。
どうして名前を見つけただけで、こんなにも胸が苦しいんだろう。
ぎゅって、誰かに握られてるみたいだ
ー川瀬このみー
川瀬は3組!
次は俺の名前を…
「昂、俺ら3組。いくぞ」
秀平はそう言うとにやりとして
「愛しの川瀬と同じでよかったね?昂くん?」
ふざけんな!
そう言い返したいけど
「うっせ」
熱くなった顔を隠すように右手の甲を口に押しあてた。
ぜってぇ顔赤いし、最悪。
秀平はにやにやしながら昇降口へ向かっていた