隣の席の姫野くん。
自分だって川瀬に告れてないくせによく言うよ…
「…俺さ、橋田といるときのお前の顔好きだよ。」
「はあ?」
きもいって思ったのはここだけの秘密で。
「…なんつーか、人間らしいよお前。そーゆー顔にさせてくれる奴、大切にしないとな。」
…こいつ、俺に言いながら川瀬のこと考えてんだろ。
「…川瀬といるときの昂は、子供っぽいよ」
半分いやがらせ、半分本音でそう言うと
「そりゃどーも」
昂は嬉しそうに笑った。
…お前は川瀬のこと、がんばれよ。
「ね、ねえ、どこで着替えればいいの?」
俺らが微妙に青春っぽいことをしていると、橋田がゆっくりとドアを開けた。
「あー、俺ら下いるからここで着替えて。いくぞ、昂」
「へいへーい」
そこから俺らはそれぞれ準備をし、6時に家を出た。