隣の席の姫野くん。




ちらりと教室をのぞくと…




「…っ!」




メイド姿になった橋田がいた。




一人だけ丈の違うスカートに髪を巻いて



少しだけ化粧もしてるんだろう




いつもより数段大人っぽかった。





自分の顔が赤いのが分かる。




こんな顔で中に入れねぇし、橋田に会えねぇ。




しかたなく壁に体を預けて立っていることにした。




「…橋田望やばくね?」




どこからかそんな会話が聞こえてきた。



「あれはやべぇよなー」



「俺、今日告ろうかなー」



「やめとけよ、お前なんか相手にされないって。」




そうだ、相手にされねぇからやめとけ。



てか、橋田の話をしてることがムカつく




「ははっ、姫野も相手にされたんだから俺だっていけるって!」




「くくくっ。まぁたしかに。」





昂のことまで馬鹿にしやがって。



どこのどいつだよ。あぁ?




イライラがピークに達した俺は声がする方をちらっと見た。




「てか、あの身長あの細さなら押し倒せるっしょ。性格きついらしいから一回できればいいし?」




「お前サイテー!ははははっ!」






本当に最低だ。



でも、その最低な話をしているのは爽やかで有名なイケメン蓮見冬也だった。



…こんなにイケメンだったら騙されちまうんじゃないか?




















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