隣の席の姫野くん。
「……」
だーーーー、っくそ!!!!
俺は頭を掻いた。
『余裕あるんだな?』
今朝の昂の言葉が頭に響く。
余裕なんてねぇよ。あるわけねぇだろ!!
学年一モテる橋田だぞ?
余裕に思ってる暇なんてねぇだろ!!
…かっこつけてる場合じゃねぇだろ、俺…
『俺だったらすぐに自分のものにするけどね』
その言葉を思い出して手がピタリと止まる。
…そーゆーことか。
初めから全部わかってたってわけかよ…
誰にもとられたくないなら自分の物にするしかない。
なんで気付けなかったんだよ
「…っふ」
昂に気づかされたってのが微妙だけど、まぁいいや。
俺には橋田しかいねーんだよ。
手に入れてやる…!