隣の席の姫野くん。




「何の用?」



急いでるせいで少し冷たくなってしまう。



「いや、抜けてくの見えたからさ。どこ行くのかなって」




爽やかすぎる笑顔を振り撒いて喋る蓮見くん。



確かにすごいイケメンだと思うけど…




「ごめん。今急いでるの。離して?」




自分でも声が低くなったのが分かった。



この人爽やかだけど、見ててイライラする!!!





「…どうしてそんなに急いでるの?」



「はぁ?」




なんであんたにそんなこと言わなきゃいけないのよ!!!!




「教えてくれたら離すよ」




気持ち悪いくらいにこにこしている蓮見くん。




もう疲れてきたよ…




「…はぁ。探し物してるの。もういいでしょ?離してよ」




さっきの言葉とは逆に手の力が強くなっていく。




「俺も一緒に探すよ」




「えっ!ちょっ…」




私が返事をする前にぐいぐいとどこかへ引っ張っていく。




「ちょっと!離してってば!!」



「二人で探した方が早いって!」





「あんたと探したくないのよ!!!」




言い合いをしている間もどんどん引っ張られていく。




…気づくと旧図書室の前まで来ていた









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