隣の席の姫野くん。




それからすぐにこのみを救うぞ大作戦は実行された。



笹野さんを誘い出して、これまでの悪事を暴いていく。


まさかあの段ボールの中身が壊された衣装とかセットだったなんて…



私も山下くんも目を丸くしたよ。



まぁ、そこからはみなさんもご存じの通り姫野とこのみのラブシーン



…なんだろう。応援してたけど複雑…




そう思いながら苦笑していると




「橋田」



「なに?」



同じように苦笑した山下くんに呼ばれた。




「俺さ、さっきすっげぇ焦ったよ。電話通じたとき」



あ、蓮見くんとの会話が聞かれてたんだっけ




「橋田男なんかについていかないはずなのに、なんで蓮見と?とか、実はそーゆープレイ?とかいろいろ考えた」



「ちょっ!私そんなことしないからっ!!」




冗談だったのか山下くんはクスクスと笑っている



「…もぉ~」



「ははっ!でも焦ったのはほんと。朝から昂に釘刺されてたし…」




姫野なに言ったんだろ?



山下くんはふっと笑うと、真剣な顔になって私を見た。





「…だから、もう焦らないように、慌てないように、あんなに走らされないように、ずっと橋田を側に置いとかなきゃなって思ったんだ」



「…え?」



どーゆーこと?




私がキョトンとしていると、山下くんはあー、もう!とか言って頭をガシガシかいて





「…俺と付き合ってください」






確かに、そう言った。




























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