隣の席の姫野くん。
それと同じような声が床に寝そべる橋田からも聞こえてきて
「「…はぁ」」
俺と秀平は苦笑いしながらため息をついた
あ、ため息ついちまったよ…
しばらくの間ため息をつかずにいられたから、ため息をついてしまったショックが意外と大きい
もう一度ため息をつきそうになるのをぐっと我慢していると
「こ、う~」
腕の中のこのみが何かを話し出した
「このみ~こうが好き~」
あまり呂律の回っていない声でたしかにそう言ったこのみ。
俺は嬉しすぎて、跳び跳ねるとか万歳するとかしたかったけど腕の中のお姫様を守るためだ、我慢しよう。
「…くそ」
思わず出てしまった本音
本当はなにも我慢なんてしたくない
身体中で喜びを表現したいし、できることなら今このみに抱きつきたい。
…でも、やっぱりお姫様が大切だからな
「秀平、俺このみ連れて帰るわ。ちゃんと寝せてえし」
「そうだな。ここだと一人しか寝れねえしな」
俺はこのみを抱き抱えるとちゃんと玄関から帰った
窓から出入りしてなんかあったらやだしな。
めんどくさいよりも安全第一。
何をするにも慎重に行動して、俺のベットに寝せると
「くー」
俺の苦労なんかしらないこのみは気持ち良さそうに寝た