隣の席の姫野くん。
「んーっしょ!」
とりあえず風呂に入ろうと立ち上がる。
あー、そういえばこのみ風呂入ってねーじゃん。
起きたらもう一回風呂入れ直すか~
そんなことを考えながら頭をガシガシと掻く
俺、いつからこんなんになったっけ?
ちょっと前の俺ってなんてゆーか、こう…
「…亭主関白…?」
声に出してみると、苦笑いするしかなかった。
俺が亭主関白って…
正確には亭主関白だったわけじゃなくて、亭主関白が理想だった。
彼女に頼られるような強い俺、みたいな感じ。
でも、なんだろう。
この状況は絶対に理想とは違うんだけど…
なんか、いいんだよな。
頼ってるつもりも甘えてるつもりもないこのみを、俺が勝手に甘やかしてやってる感じ。
なんか、この関係が心地いい。