隣の席の姫野くん。




「ママ~!がいこくいきたかた!!!!」




弟の奏の声が響く




「パパに言いなさい。ママはもう知りません。」




「ごめんママ!許して!!!」




…またかよ父さん。



大体喧嘩の原因は察しがつく。



心配そうに俺を見るこのみの頭を優しく撫でた




「たぶん、父さんが女の人を見てたか、母さんの前で褒めたんだろ」



「…え?」



きょとんとするこのみ





「…まあ、奏が可哀想だから一旦喧嘩止めてくるか」




俺が行ったところで母さんの機嫌は直らないだろう。




付き合っていた頃と変わらず父さんが大好きな母さん。





…でも、それと同じくらい大好きなのが……




「え!?昂!?」





このみの腕を引いてリビングまで連れていく





睨む母さん、焦る父さん、不安そうな奏。




…そこに泣きそうなこのみ登場。









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