隣の席の姫野くん。
そう考えた瞬間、自分の顔が赤くなっていくのが分かった。
「早くいくぞ」
赤い顔を見られたくなくて、顔をそらして一人で教室を出た。
後ろからは、パタパタと俺を追いかけてくる川瀬。
姿をみてないのに、足音だけでかわいいって思う俺は相当川瀬のこと好きなんだな。
「待ってってば」
川瀬は俺のワイシャツの裾を掴んだ
お前はいつも俺に近づいてきて、
俺の気持ちを掴み取っては何も与えず
また手の届かない場所まで行ってしまう。
「姫野?」
はっと気づいた俺は顔をそらした。
こんな赤い顔見られたら、俺の気持ちがバレてしまう。
まだ、ばれたくない。
側にいたい。
そのためにはばれるわけにゃいかねぇよ
逃げるが勝ち!
赤い顔見られる前に資料室に行ってやらぁ!