隣の席の姫野くん。
…え?
俺は川瀬のこと嫌いじゃないのに。
川瀬って本当に俺が自分を嫌ってるって思ってたんだ
いっつも《嫌い》だとか《きもい》だとか
川瀬を傷付けるようなことを言ってた自分を殴りたくなった。
だって川瀬が泣きそうな顔してる。
…お前、分かりやすすぎんだよ
俺はもう見てられなくなって、平静を装って起きた。
お前はそんな顔よりは怒ってる顔の方が似合ってるよ
お前の泣き顔なんかみたくない
その原因が俺なんてもっと嫌だ
自分を呪い殺したくなる
「早く終わらせて帰ろう!」
俺が少しからかうとそう言って、俺を少し睨みながらほうきを出す川瀬。
いつもは強気な川瀬の背中が
なんだか少しいつもと違って見えて
最低だって分かってるけど
愛しいと思った。