隣の席の姫野くん。
このみside
「終わったー!」
ピカピカになった資料室を見て、私は達成感に溢れていた。
「単純な奴だな」
ほうきを片付けながら姫野は鼻で笑った。
「うるっさいな!」
ほんといちいちうるさいんだから!
「ん」
私が頬を膨らませていると、姫野はそう言って手を出してきた。
「なによ」
今度は何をされるんだろう
そんなことを一瞬考えて、一歩分距離をとった。
「何離れてってんだよ。ほうき!片付けるから!よこせ!」
私は姫野にほうきを取られた。
さっきまでほうきを握っていた手を見て、姫野って力強いんだな~なんてのんきに考えていたら
「いたっ」
「ぼーっとしてっからだろ」
姫野がその強い力の何十分の一?ってくらいの弱い力で頭を叩いてきた。
「帰んぞー」
姫野はポケットに手を入れて、私を待っていた。
なんだあいつ。
帰るってなると行動早いな。
実際、掃除中はだるそうにほうき持ってただけだったし。
まぁ、寝起きだったからしょうがないのかな?
いや、しょうがなくないでしょ。
掃除前に寝るとかありえないでしょ。