隣の席の姫野くん。
「はっしーって怒らせたらめんどくさいね。」
一人で帰るという私の言葉を無視した姫野は、教室よりもほんの少しだけ遠い距離で、隣を歩いていた。
いつも通り姫野は私の右側にいて
でも、なんとなくだけどいつもよりも少し寂しい気がした。
「今日…星キレイだ」
右側から聞こえた声。
姫野の低くて柔らかい、声。
朝教室で聞いたときには、悪魔だ!って思ったのに
今はなぜか無性に落ち着く。
むしろ私を幸せにしてくれるような気がした。