隣の席の姫野くん。
「お前、上見ろよ」
呆れたように私を見下ろす姫野。
姫野の姿に夢中になってて、空を見るのをわすれてた
「…わっ」
思わず声をあげてしまった。
田舎だから街灯が少なくて、星が丸見えだ。
「わーっ。本当にキレイ!びっくりし…きゃ!」
私は足元に落ちていた空き缶にひっかかり、恥ずかしながら前から転びそうになった
「っっぶね!なにやってんだよ!」
私の体が前に傾き始めた直後、姫野が私を抱き留めてくれた。
「…あ、ありがとう」
本当にありがたいんだけど、
恋愛スキル0な私には少々刺激的すぎる。
私の目の前にある姫野の胸とか
私の腰にまわる姫野の腕とか
段々と赤くなっていく私の顔とか
全部が星に見られてるみたいで、落ち着かなかった。