隣の席の姫野くん。
「もう離していただいて大丈夫デス」
あまりの恥ずかしさにいたたまれなくなった私は、姫野の顔を見ないように、赤くなった顔を見られないようにうつむいた。
「…お、おう」
姫野は少しおどおどしながら、パッと私と距離をとった。
…少し寂しいなんて、たぶん夜のせいかな。
でも、暗くてよかった。
田舎は灯りがすくないから…赤くなった顔になんか姫野は気づかないだろう。
赤くなった私をみたら、姫野は必ず絶対バカにするもん。
そんなことされても、私はいつもみたいに反抗できる自信がないしね。
だって赤くなっちゃったのは事実だし。
恋愛スキルがない人間にとっては、刺激が強すぎたんだってば。
それ以外の理由なんてない!