隣の席の姫野くん。
「なぁ川瀬」
俺は右手で頬杖をついて、川瀬を見ていた。
俺がどんなに見ても、話しかけても川瀬は必死にノートを写している。
「なんでさっき こうくん とかって呼んだの?」
俺がそう聞くとそれでも川瀬はノートを写しながら
「のんちゃんが、そうすれば姫野がノート貸してくれるからって」
…はぁ?
橋田!?
なに!あいつ、俺の気持ち知ってるわけ?
うっわーー!
恥ずかしい!
俺が一人悶えていると
おわったー!
っと隣から可愛い声が聞こえた。
「あ、そうだ。姫野のお願いも1つだけ聞いてあげる」
思い付いたように言った川瀬のその言葉に、俺の耳はぴくりと動いた。
「なんでもいいわけ?」
「んー!可能なことなら!」
川瀬の言葉は俺の気持ちを掻き乱していく。
実は、もうお願いは決まってるんだけどね