隣の席の姫野くん。
「んじゃ、昂って呼んでよ」
俺は暴れてる心臓がバレないように、さっきと変わらない頬杖をついた体勢で、ニヤリと笑った。
「…は?」
俺の言葉を聞いた川瀬は目を大きくして、口を開けて。
ものすごいアホ面で俺を見た。
「なにか文句でも?」
すぐにお願いを聞いてもらえなかったことに若干拗ねた。
あー、俺って本当におこちゃま。
川瀬は少し困った顔をして悩んでいた。
そんな顔させたかったわけじゃねぇのに
「か…」
川瀬、もういいよ
そう言おうとしたとき
「昂!」
川瀬は俺の足元を見つめながら顔を真っ赤にしてそう言った。
あぁ、俺自分の名前今日から大好きだわ