隣の席の姫野くん。
「ふわぁ」
気付いたら俺は眠っていたらしい
座って腕を組んだまま寝たから首がいてぇ。
時間を見るとちょうど昼休みの時間。
川瀬との時間を無駄にしたような気がして自己嫌悪。
今日が終わるまであと2時間。
どうにかして午前の分挽回しねぇと
そう思って教室のドアを開けると…
「おーおー姫野!」
クラスメートの男子一人がにやにやしながら近づいてきた。
「旧図書室で橋田サンと何してたんだよ?」
「…は?」
俺より少し、いやかなり小さいヘラヘラした男から発せられた言葉。
「俺見たんだからな?二人で照れながらはなしてるとこ!」
俺と橋田が照れて話してるところ?
少し考えながら教室を見渡してみる。
なるほどね
全員このことは聞いたってことか。
教室は俺を羨む目や、妬む視線。
蔑む言葉で溢れていた。
その中になぜか橋田はいなくって、それなのに川瀬はいた。
俺を、軽蔑して、
俺に、絶望して、
俺を、見下して、
でも、どこか寂しげで
そんな感じの顔で俺を睨み付けてた。
なぁ、なんでお前までそんな顔で見るんだよ。
でも、そんな顔まで可愛いって、そう思ってしまう。
俺は相当重症だ