隣の席の姫野くん。



「姫野?」


川瀬は俺の反応に驚いたらしく、目を見開いていた。



「川瀬。正直に答えて?俺はお前にとって男?それとも、それ以外のなにか?」






逃げんなよ



そう言うように俺は川瀬の腕を掴んだ。




川瀬は俺の心を読み取ったのか、 俺の手を振り払おうとはしなかった。



「…姫野は、姫野だよ」




うつむきがちでそう言った川瀬



姫野は、姫野…ね




俺は、俺であって



男ではない。



つまり川瀬にとって俺は男以外のなにか。




対象外ってわけね










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