隣の席の姫野くん。

このみside




私が姫野のことを昂って呼んで逃げたあと


少し姫野に会うのに緊張しながら、教室に戻ると男子がのんちゃんを囲んでいた



「橋田サンって姫野と付き合ってんの!?」



のんちゃんはすっごい可愛いから


付き合ってくださいって


何回も何回も言われてきた。




でも…誰かと付き合ってるなんて噂は初めて。



あの性格だから、告白してきてくれた人にも、初めて話す相手にも罵ってしまう。



だからのんちゃんが照れるところなんて見たことないし、好きな人がいるなんて話も一回も聞いたことがなかった。




「どうなの?」


にやにやしながらのんちゃんのうつむく顔を覗きこんだ一人の男子。



「…っ」


覗きこんだかと思えば、顔を赤くして後ずさってしまった。



「のんちゃん?」



私も私のところからは見えないのんちゃんの顔を覗きこんだ。


















< 78 / 300 >

この作品をシェア

pagetop