隣の席の姫野くん。
「それでね、姫野とのことなんだけど…」
いつの間にかのんちゃんの顔はいつも通りになっていて、からかえなくなると思うと残念な気がした。
「聞いてる?」
私が焦ってこくこくと頷くと、のんちゃんは私をジロリと睨んで話始めた
「私、姫野に協力してもらおうとおもったの。山下くんとのこと。」
のんちゃんは、相変わらずののんちゃんスタイルで、少しうつむいていた。
「私ね、人のこと好きになるなんて初めてのことだし、彼のこと考えるとなんかこう…顔があつくなっちゃって、頭も回らなくなるの」
休み時間の光景が浮かんできた。
あのときも、何も言い返さずに逃げたよね
のんちゃんらしくなかった
「それで、勝手に山下くんの話をして赤くなって、姫野に八つ当たりして、その場面を誰かに見られてて。姫野に迷惑かけちゃったなぁ」
のんちゃんは珍しく反省したように目を伏せた。
泣いてしまうんじゃないかと心配になったけど、近付いてはいけない気がして私は動けなかった。