隣の席の姫野くん。
「すごく、すごく反省してるの。姫野を傷つけてしまった。姫野にだって姫野の恋愛があるのに…」
…え?
私が驚いて、抱き締める腕に力を入れると、のんちゃんは何かに気付いたらしく慌て始めた。
「あ、いや!姫野だって恋愛くらいしてるだろーなーって思っただけ!まぁ、あいつのことだからしてないかもしれないけど!」
姫野が、恋愛ねぇ…
さっき告白されたけど…
「ぶふふ!似合わない!ははは!姫野が恋愛って!ふふふふふ!」
私は無駄につぼってしまって、笑いが止まらなくなっていた。
でも、少し胸が痛いのはなんでだろう。
もし、これから先姫野の隣に私以外の人がいることがあったら?
そう考えると、胸が苦しくて、苦しくて。
どうしようもなくなる。
この胸の痛みはなに?
私がそんなことを考えている間に
姫野、もっとがんばんなよ
ってのんちゃんが言っていたことなんて気づかなかった