隣の席の姫野くん。
このみside
「んじゃーねー川瀬」
「おう」
おう、なんてまた可愛くない返事をしてる。
そんな自分に自己嫌悪。
姫野に告白されて、泣いたのんちゃんを抱き締めた日
あのあとのんちゃんはすぐに泣き止んで、直接は言えないからと姫野の机に『ありがとう、ごめんなさい』と書いていた。
その顔はまた、赤くなっていたけど。
のんちゃんに言うと怒られるから何も言わなかった。
次の日、そのメッセージを見た姫野は
「え?これ、誰かいたの?」
と目を大きくして私に聞いてきた。
ここまではいつも通り。
何も変わらないよくある日常
何が変わったかと言いますと…
「それは橋田さんからのメッセージですよ姫野くん」
「…なにその話し方。きも。でも、川瀬なら可愛いから許す」
姫野が異常なくらい素直に、あまーい感じを出してくる。
そして私はそれをなぜか意識してしまって、姫野と話すときに緊張するようになってしまった。