同級会、その後、恋愛。
「か、上條……やめ……」
「やめない」

ダメだ。話を聞いてくれる雰囲気ではない。

しばらく唇を貪られ、満足したのかようやく唇を離した上條は、やっと車を発進させた。

もうすでに疲れた……


車のエンジン音と、上條が好きだという洋楽が流れる中、上條が口を開く。

「……なんで逃げるの」

そんなこと言われても。

「俺、何かした?」
「したっていうか……」
「何?言って」
「…私、セフレは嫌なの」

「は?」
上條は意外そうにこっちを見た。近くのコンビニの駐車場に車を停める。

もういいや、言っちゃおう。
「彼女、いるでしょ」

一瞬上條が固まった。

「誰に聞いたの」

「同級生……」

上條は、はぁー、とため息をついてハンドルに項垂れた。

「それでか……」

「それでっていうか、結構大事な事なんだけど」

「いいよ、わかった」

それだけ言うと上條は再び車を発進させた。
上條だけは何かスッキリした顔をしているが、さっぱりわからない。
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