先生に恋した話~報われない恋心~
「先生!写真撮ろう!」
小春がそう言って先生に声をかける。
どうしてだろう…?
普段なら先生に声をかけることなんて
簡単に出来るのに、今日はなんだか先生が
遠い人みたいでなかなか話しかけられない。
私達は先生と写真を撮る。
最後の先生との写真。
私はしっかりと笑って撮ることができた。
「先生、ありがとう!」
小春が元気よく言う。
私もニコッと微笑む。
「おう!
じゃあ、俺そろそろ戻ろ」
そう言って先生は、
クルッと後ろを向いて昇降口に向かってしまった。
どんどん小さくなる背中。
いつも見ていた背中なのに今はよく見えない。
涙で歪んでしまっているから。