なめてんの?
「お前と出会った日、“誰だっけ”とか言っちまったけど……前から知ってた…。



お前が好きで…緊張しちまって……」





「っ」






介は私のことを、本当に好きでいてくれたんだ…。






いつだって、強引で俺様で怖くて……


だけど、いつからか私もそんな介に胸を奪われていた。







「…お、お前は他の女と違って俺のことを見てもキャーキャー言わねぇし…、



教室でも一人で空を眺めてるだけだし……」







「ッ…」






知ってたんだ…。






私がクラスでも居場所がなくて一人だったことも



空をじっと眺めていたことも。







私は誰も見ていなかった。





介も、他のクラスメイトも。



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