なめてんの?
「あーん、して?」





コクッと。





それはもう簡単に、私の首は下に落ちた。






それはつまり、
“あーん”をする、
という約束を交わしてしまったということで。





可愛すぎる介の言葉に逆らえなかった。





というか多分…どうかしてたんだと思う。






だから、介の一瞬の表情の変化になんて、全く気づかなかった。






「なーんて。言うわけないだろ?」






「なっ!?」





ニヤ、っと笑う介。






私、騙されてたのか……。






怖い、この人…。






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