幸せならそれでいい

お兄ちゃんは
お母さんが18歳の時の子供。

こんな田舎でデキ婚し
お兄ちゃんが産まれてすぐ離婚。
ほらみた事か……と、周りは冷たい目。

お母さんは負けず
実家にも帰らず
隣町のスナックにお兄ちゃんを連れて行きながら仕事。

落ち付くと
お兄ちゃんを保育所に預けて保険の勧誘の仕事をし、ついでに掃除の仕事もしながら、しっかりお兄ちゃんをいい子に育て、お兄ちゃんもお母さんの手伝いをしながら生活していた。

そして
お兄ちゃんが小学校3年生になった時
お母さんは役場職員であるお父さんと再婚した。

シングルマザーとして
色んな手続きなどの相談にのってくれたのが、お父さんだった。

迷いながらも
背中を押してくれたお兄ちゃん。

私が産まれ
お兄ちゃんは私の名づけ親。

可憐であり
凛とした小さな紫の花のように

桔梗と名付けてくれた。

ワガママも一度も言わず
反抗期もなく
模範的な優等生

私をとにかく可愛がり
沢山面倒をみてくれた

賢くてイケメンで優しいお兄ちゃんが



お姉ちゃんになってるなんて


もう

やだ。

大好きなお兄ちゃんが消えてしまう。
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