【短】寮内ダーリン
“お見合いするのよ”
もう沢山だった。
普通に恋をして
普通に学校に行って
遊んだり
進学したり
そんな毎日を過ごしたいと
ずっと思っていた。
あたしの人生を
勝手に決めないで――
「彩ちゃん?」
「あ、ごめん」
「とにかくさ、ハルってイタズラするけど、悪い奴じゃないから」
「……う、ん」
「あ。手遅れ?」
「あは…」
ハルが例えどんなに辛くても、あたしにあんなことするのは許せないよ。
なのに、あたし分かってしまった。
ハルの気持ちが。
自由を求めたハルの気持ちが。
痛いくらいに。