【短】寮内ダーリン
「名前は?」
「夕貴、です」
「おっけー」
ハルはみっちゃんに連絡を入れてくれたようだった。
あたしはぼんやりしたまま、外の景色を見つめていた。
「夕貴って2号なの?」
電話を切るとおかしそうに笑いながらハルが言った。
「うん。彼氏と…」
そこまで言いかけて、また思い出す。
ユウキ。
「あは、ごめん」
どうして勝手に涙が出るんだろう?
「同じ名前だから?」
とても優しい表情で、ハルが尋ねた。
あたしは何度もうなずいて、声をあげて泣いた。