鬼の子と男子生徒
「あ・・・・えと・・・・ごめん」
失礼なことをまた言ってしまった。
朱鬼は沢山傷付いているのに・・・・。
俺は申し訳なさと、後悔で、下を向いた。
朱鬼が近づいてくる。
「なに謝ってんの?僕が危ないことをしたから夕輝は叱ったんでしょ?」
不思議そうな顔をした。
「え・・・・いや、だって・・・・」
「夕輝はなにも悪くないよ?悪いのは僕だよ。確かに、包丁を振り回すのは良くなかったよ」
朱鬼が苦笑いした。
「夕輝、ごめんなさい。包丁を振り回したりして・・・・。ちょっと、前見ていたのとは違ったから・・・・つい、調子にのっちゃったんだ」
朱鬼はびっくりするほど素直だ。
俺とは大違いだ。