鬼の子と男子生徒

「・・・・バラしたのか・・・・?」

龍の目は開かれなかったが、驚きは隠せていなかった。

「違っ・・・・バラしたワケじゃ・・・・」

しどろもどろになる海莉の肩に手を置いた。

「俺が海莉を嵌めた」

「・・・・嵌めた?」

「・・・・私が・・・・私たちの検査結果を消した次の日に・・・・夕輝が・・・・『検査結果が出た』・・・・って・・・・だから・・・・消すために・・・・入ったら・・・・白紙で・・・・そこで私は・・・・『嵌められた』って気付いて」

海莉は泣き出した。

龍は目を開いた。

龍の目から、光が消えていた。

まるで、死んだ魚の目だ。




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