鬼の子と男子生徒
朱鬼と夕飯
「あ、朱鬼の分の飯、どうすっかな~」
冷蔵庫を開ける。
「あ、でも、食材はあるか・・・・」
冷蔵庫から、野菜やらなんやらを取り出す。
「・・・・朱鬼って、なにが嫌いなんだろ?」
朱鬼の嫌いなものを聞き忘れたことに気がついた俺は朱鬼の部屋に向かおうとした。
トントントン・・・・。
リズミカルに近づいてくる足音。
「夕輝!なにしてるの?」
朱鬼がトテトテとやってきた。
「夕飯作ろうと思ってさ。朱鬼、嫌いなものある?」
「夕輝以外の人間!」
即答。
「いや、食べ物の方だから・・・・人間は食べちゃ駄目な奴だから・・・・」
「あー!そっちかー!えーっと、ないよ!」
「そっか。分かった」
早速、料理に取り掛かろうとする。
「あ、でも、毒は危ないって言ってた!」
「いや、毒は入れないよ。毒は」
「後、玉ねぎは毒だって」
「・・・・分かった。玉ねぎ、抜いとくよ」
朱鬼はその場でじっと俺の手元を見てる。
「・・・・なに?」
「夕輝って、料理出来るんだー。と思って」
「・・・・失礼な。料理ぐらい、出来るって」