鬼の子と男子生徒
「朱鬼~?大丈夫か・・・・って、まだそこにいたのか!?入らねーと、風邪引くぞ?」
朱鬼はタオルを羽織ったまま、床にしゃがみ込んでいた。
「夕輝・・・・」
「お湯、止めた?」
朱鬼は頷く。
「お湯に浸かって来いよ。俺はここにいるからさ」
「・・・・はい」
朱鬼はお風呂に入った。
「素直でよろしい!」
ドア越しに言う。
「夕輝・・・・。夕輝って、初めてのお風呂って、僕みたいだった?」
「ん?俺か?・・・・んー。どーだろな。流石にわかんねぇよ」
「なんで?」
「赤ん坊の時のことなんか覚えてらんねーよ」
「そっか」
この後、朱鬼が出てくるまで、沈黙は続いた。