鬼の子と男子生徒
「行くぞ」
「おう!」
バンッ!
朱鬼が勢い良くドアを開ける。
「夕輝、乗れ」
「は?」
朱鬼が俺に背中を向けてくる。
「早くしろ!それとも・・・・お姫様抱っこの方が良いのか?」
ニヤリと笑う。
「わ、分かった!乗る!乗るから!それだけは勘弁して!」
慌てて朱鬼の背中に乗る。
「・・・・しっかり捕まってろよ?」
朱鬼は俺が乗ったことを確認すると、勢い良くジャンプして、そのまま、屋根の上を走った。
「な、なんだこれ!?」
「あん?普通に走ってるだけだろ?」
「どこがだよ!普通じゃねーよ!」
「夕輝、うるせー」
朱鬼が顔をゆがめた。
「わ、ワリィ・・・・」
「ま、いーけどな。夕輝は恩人だしな」
朱鬼はフッと笑った。