鬼の子と男子生徒
「・・・・に、人間・・・・か?」
闇鬼が恐る恐る聞いてくる。
「あぁ。そうだ」
闇鬼はその言葉を聞くと、悲しげな顔して俯いた。
「・・・・お前は、自らの意志で、人間の住んでいる所を襲ったのか?」
「ち、違う!あ、あれは!・・・・」
闇鬼は叫んだ。
そして、ナニカを躊躇うように俯く。
「・・・・言って良いぞ?聞いてやる」
優しく話しかける。
「・・・・あれは・・・・俺にとり憑いている人間嫌いの人間がやったんだ。・・・・鬼なら、なにやっても良いと思ったんだろうな」
闇鬼は悲しそうに言う。
「・・・・じゃあお前は・・・・それをただ見ていたのか?」
「違うッ!!!止めようとしたッ!!何回も何回もッ!!」
叫んで、その場に座り込んで泣き出した。
「でも・・・・止めてくれなかった・・・・体を縛られた・・・・乗っ取られた・・・・いつもいても・・・・俺は・・・・謝ることしか・・・・出来なかった・・・・」
ひとしきり話を聞いた。
そして、闇鬼の頭に手を伸ばす。
闇鬼はビクリと怯えた。
その手で、闇鬼の頭を撫でる。
「ぇ・・・・?」
「そっか。・・・・闇鬼は良いヤツだな。乗っ取られて・・・・止めても聞いてくれないヤツのせいにはしないで自分で背負い込んだのか・・・・」