鬼の子と男子生徒
「うっわ・・・・真っ暗じゃねーか・・・・マジ最悪」
ギシギシなる階段をゆっくり降りていく。
「うぅ・・・・ひっく・・・・ごめんなさいぃぃぃ・・・・許して下さいぃぃぃぃ・・・・」
あの声はだんだんと大きくなってきた。
夢の中の・・・・蹴られ、殴られ、石を投げられていた、少女の声が。
「・・・・また、扉だ」
フック状の鉄に木材が乗っている。
「いつの時代のだよ。これ・・・・」
木材は大きい見た目より有り得ないほど軽く、
いとも簡単に扉は開いた。
「!?だ、誰!?」
うずくまっていたのは、俺と同じくらいの、
「!?」
角の生えた少女。
「・・・・!?に、人間!?ヒィ!ごめんなさい!私なんかが生きててごめんなさい!」
必死に土下座して謝っている。
「い、いや!謝んなくて良いから!顔あげて?な?」
少女は怯えながら顔を上げる。
「・・・・な、なんでしょうか?」
少女は涙目で俺を見上げてる。
・・・・気がする。
暗くてよく見えない。
「取りあえず、ここから出よう。暗くてよく見えない・・・・」
「え!?いや、でも・・・・」
「いいから!早く!」
俺は少女を無理やり暗闇から連れ出した。
暗くて気味が悪いし、なんでこんな所にいるのか知りたいし。