鬼の子と男子生徒
束の間の休息 ~物語に紡がれなかった話~
「美兎。ほら急いで。起きる前に行くよ」
海巳が美兎を急かす。
「ごめーん!大丈夫!行ける行ける!」
袋を持ってくる美兎。
「夕輝、元気かなぁ~?」
「どうだろうね?」
クスクス笑う2人。
「・・・・さて、そろそろ行こうか」
手を差し出す海巳。
「うんっ!」
その手をつかむ美兎。
2人はトンネルに飛び込む。
2人は消えていく。
ゆっくり、
静かに、
音もなく、
この世界から、
消えていく。