鬼の子と男子生徒
「あれ?言ってなかったっけ?てか、話すのも初めてだったね。俺は夕輝。黄昏夕輝。よろしく。龍くん」
龍は唖然としていた。
「いやぁ。しかし驚いたなぁ。黒真の手下かなんて聞くなんて。君ら、黒真博士の実験台か。どーりで、傷の治りも早いわけだ」
ぺろりと龍の服を捲る。
どごんっ
え?
一瞬にして目の前が真っ暗になった。
「・・・・っにすんだ!!!」
どうやら、龍にブッ叩かれて壁にめり込んでしまったようだ。
がららら・・・・。
誰かがやってきた。
「こんにちはー。って・・・・夕輝?大丈夫?壁にめり込んでるよ?」
朱鬼・・・・いや・・・・違うな。
・・・・闇鬼の大人バージョン?
・・・・いや・・・・口調が違う。
となると・・・・。
「心配してくれてるの?闇鬼」
「え?僕だよ?朱鬼だよ?」
・・・・シラを切るか・・・・。
「いやいや。流石に酷いよ。ナメられたもんだなぁー。俺も」
「え?」
「まず朱鬼は「こんにちは・・・・って、夕輝!?どうしたの!?めり込んでる!?あ、ちょっと待ってて!今、助けるから!」と、こんな反応をする。分かったか!闇鬼」
ナイスタイミングで朱鬼が入ってきた。
「・・・・やれやれ。夕輝の朱鬼愛は永久不滅ってか?」
シュウゥゥゥゥ・・・・。
「なっ・・・・」
龍は驚きの声を上げた。
「あ、闇鬼ー!僕のマネなんてしてないで、手伝ってよぉー!」
俺の体をぐいぐいっと朱鬼が引っ張る。