鬼の子と男子生徒

「・・・・ごめん。海莉が物語を食べちゃって・・・・すぐに復元させるから・・・・」

龍がすぐに謝る。

「・・・・ごめんなさい・・・・」

海莉も続けて謝る。

「あ、食べたんだ。いーよ。別に。もう一冊持ってるし。でも、すっごいなー。色々と、苦労したでしょ?」

そう聞くと、海莉はこくんと頷いた。

「・・・・私・・・・学校に・・・・通ってたとき・・・・とか・・・・一番・・・・大変だった」

小さかったけど、どうやら相当大変だったみたいだ。

「ねぇ、その話、詳しく聞かせてくれない?」

2人はぴくりとした。

「あ、君達のことも知りたいから、色々と検査を受けて貰うことになるけど・・・・いい?」

2人は警戒心を向けてきた。

「あー・・・・もしかして・・・・黒真博士にも同じこと言われて、いろいろやられた?」

「・・・・そうだけど・・・・」

うっわ。黒真のヤロー・・・・サイッテーだな。

「痛いことはしない。約束しよう!あー・・・・でも、信用できないか・・・・よし!朱鬼!」

「あ?なんだよ?」

気だるそうに朱鬼が言った。

「もし、俺が龍と海莉に酷いことしたら・・・・俺を殺せ」

ピクッと朱鬼の眉根が動いた。




< 99 / 155 >

この作品をシェア

pagetop