「涙流れる時に」
プロローグ
「斉木先生・・・」

病室には百合と美弥。

「気分はどう・・・?」

「まあまあだよね。」2人は顔を見合わせては微笑んだ。

精神科の病棟は

現実の世界とはまったく違った時間が流れていうというのか。

世の中は慌ただしいっていうのに・・・


「先生・・・」

「百合・・・泣いているのか・・・?」

スーッと滴る百合の涙・・・医師の斉木は百合の頬をぬぐった。

ある時は、「キャー・・・」けたたましく発狂する美弥の声

「大丈夫か?」駆けつける職員の顔は緊張感にみなぎっているが

美弥はそれを、欺くように眠りについた。


「先生・・・」

百合は斉木の白衣の袖を掴むと・・・

「ごめんね。」って言った・・・


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