「涙流れる時に」
PM 8:00 百合の病室
ベッドに横たわる百合の傍らでで斉木は百合を見つめていた。
「お帰り。百合」
百合は疲れきった顔で斉木に話し出した。
「新宿のバーで、るみ子って女に会ったの。
話を聞いていたら偶然だった。
美弥の旦那だったから。
美弥の大事なもの・・・1度だけ奪ってみたかったな~って
寝たよ。わたし・・・」
百合は涙をこぼした。
「これ以上は止めなさい・・・」斉木は百合の口を封じるも止まらなかった。
「先生・・・でも・・・私・・・」
百合は溢れる涙に自分が抑えられなかった。
「やめたいな・・・もうこんなこと・・・」何度も何度もその言葉を繰り返した。
叫び疲れ果てたその先に・・・
「これ・・・」
百合が手渡したのは、分厚い封筒。
「これ・・・また・・・入院代に通院代・・・」
「こんなに・・・?」
百合には家族がいなかった。
自分で、夜の街やコンパニオンをしながら稼いでいた。
るみ子の50万も、またそうだった。
「ここしかないから。居場所。」百合はそう言って、冷めたシーツに包まる。
「もういいよ。こんなこと・・・」斉木は百合を抱きしめた。
「俺とここを出よう。俺が一生傍にいるから・・・」
「え?・・・」
百合にとって、温かいその感触は初めてだった。頬をつたう涙。斉木は何度もそれをぬぐった。
ベッドに横たわる百合の傍らでで斉木は百合を見つめていた。
「お帰り。百合」
百合は疲れきった顔で斉木に話し出した。
「新宿のバーで、るみ子って女に会ったの。
話を聞いていたら偶然だった。
美弥の旦那だったから。
美弥の大事なもの・・・1度だけ奪ってみたかったな~って
寝たよ。わたし・・・」
百合は涙をこぼした。
「これ以上は止めなさい・・・」斉木は百合の口を封じるも止まらなかった。
「先生・・・でも・・・私・・・」
百合は溢れる涙に自分が抑えられなかった。
「やめたいな・・・もうこんなこと・・・」何度も何度もその言葉を繰り返した。
叫び疲れ果てたその先に・・・
「これ・・・」
百合が手渡したのは、分厚い封筒。
「これ・・・また・・・入院代に通院代・・・」
「こんなに・・・?」
百合には家族がいなかった。
自分で、夜の街やコンパニオンをしながら稼いでいた。
るみ子の50万も、またそうだった。
「ここしかないから。居場所。」百合はそう言って、冷めたシーツに包まる。
「もういいよ。こんなこと・・・」斉木は百合を抱きしめた。
「俺とここを出よう。俺が一生傍にいるから・・・」
「え?・・・」
百合にとって、温かいその感触は初めてだった。頬をつたう涙。斉木は何度もそれをぬぐった。