さみしがりやのホットミルク
「──佳柄、」



やさしく名前を呼ぶから、思わず、まっすぐにその顔を見上げてしまう。

オミくんは、コツンと、あたしのそれに自分のおでこをくっつけて。その至近距離のまま、ささやくように、言う。



「……ぜんぶ、見せてよ」

「……ッ、」



オミくんのばか、ずるい。

そんなの、あたしだって、一緒なんだもん。

あたしだって、オミくんのぜんぶ、見せて欲しいんだもん。


低い声で甘くささやかれて、あたしのからだから、嘘みたいにこわばっていた力が抜けた。

彼の手を阻む力もなくなったから、オミくんが、まるで『いい子』ってほめるみたいに、ちゅっとあたしのおでこにキスを落とす。

そうしてその手が、今度こそ、背中に回った。



「……っん、ん……っ」



オミくんのくちびるや、指先の動きに翻弄されながら、必死で自分の下くちびるを噛んで声を抑える。

それすらも許さないように、ぺろりとのどを舐められて。からだを震わせながら、熱に浮かされた瞳で、彼を見上げた。
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