さみしがりやのホットミルク

「この不器用くんめ!!」

「──おい、起きろ、……晴臣!」

「ん……」



聞き慣れた声にベシリと肩を叩かれて、俺は意識を浮上させた。

まぶたを開けると、自分が寝ているふかふかのベッド横に、不機嫌そうな光が仁王立ちしていて。

目をこすりながら、俺は上半身を起こす。



「……光。はよ……」

「おはよ、晴臣。っつっても、もー昼だけどな」



相変わらず憮然とした表情の光に対し、俺は起き上がってベッドに腰かけるかたちになる。

光は最後に見た部屋着姿から、すでに私服へと着替えていた。



「飯、持ってきたから。さっさと着替えて食えよ」

「あー、さんきゅ」

「ったく、いくら家来ていいからなって言ったからって、あんな真夜中に連絡寄越すなんて聞いてねーぞ!」

「ははっ、わりーわりー」



笑い事じゃねーし!と言いながら、光は自分の勉強机の前にあったキャスター付きの椅子に座った。

からだはこちらへ向け、机に頬杖をつきながら、呆れたように俺を見る。
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