さみしがりやのホットミルク

「こーいうコトされるかもしれないって、」

そして、数十分後。



「はい、お待たせしましたーっ!」



言いながら目の前のテーブルに並べられたのは、綺麗な黄色のオムライスと、サラダと、玉ねぎが入ったコンソメスープ。

最後にコトンとウーロン茶の入ったコップをふたつ置いて、佳柄もテーブルの向かいに腰をおろした。

その視線に促され、俺は軽く、両手を合わせる。



「……いただきます」



言ってからスプーンを手にとって、一口分のオムライスをすくう。

ぱくりと口に入れて咀嚼すると、ケチャップと胡椒のかおりが、ふわっと鼻を通り抜けた。



「ど?」

「……美味い」



さっきの、ホットミルクのときと同じ愛想のない答えだというのに、佳柄はそのひとことだけで、とてもうれしそうに笑った。

そうして自らも、目の前のスプーンに手を伸ばす。
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