さみしがりやのホットミルク
「あ……赤ちゃん?」

「うん」

「え……お、俺たちの?」



うん、とまたうなずきながら、佳柄が自分のおなかをそっと撫でる。

いろんな感情がこみ上げてきて、どうしようもなくなって。俺はがばりと、目の前の彼女を抱きしめた。



「か、佳柄……」

「あはは、うん」

「うれしい、俺、すっげぇうれしい……」

「ふふふ。オミくんよろこんでくれて、あたしもうれしい」



震える俺をなだめるように背中をさすってくれて、だけど佳柄も、涙声になっていた。

そっとからだを離して、まだ平らなままの彼女のおなかに、おそるおそる触れる。



「ここに、いるんだな……」

「うん、いるよ。心臓も、動いてた」

「マジか……」



ひたすら感動しきって、俺はただただおなかを撫でることしかできない。

くすぐったそうにしながら、佳柄がイタズラっぽく笑った。
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